枝野幸男代表は22日午前、兵庫県明石市を訪問し、子育て支援で先進的な取り組みをしている泉房穂市長と意見交換するとともに、同市の子育て支援センターを視察しました(写真上は、こども広場内で明石市長[右]から説明を受ける枝野代表)。
党兵庫県連から桜井周衆院議員・県連代表、井坂信彦第1区総支部長・前衆院議員、今泉真緒第4区総支部長、安田真理第7区総支部長、隠樹圭子第10区総支部長、党ひとり親など支援ワーキングチーム事務局長の打越さく良参院議員らも参加しました。
泉市長は、明石市の取り組みについて「やさしい社会を明石から――こどものまちのつくり方から――」と題して説明。「ポイントの1つ目は、子どもに力を入れたら経済が良くなる。2つ目は、やさしい町、社会をつくれば市民の満足度が高まり、選ばれる町になる」と強調しました。
2011年、市長に就任当時、明石市は人口減少が過去3年続いていましたが、子ども施策に力を入れた結果、「8年連続人口増」「最高人口を更新」し続けているという。増えている年齢層は、「25歳から40歳までと5歳までの層が明石市に大挙してきている」と指摘。その理由は「明石市だと2人目、3人目を産むことができ、子育てをしやすいからだ」と説明しました。これは出生率の改善にもつながり、兵庫県1.41%、全国1.36%に対して、明石市では1.70%を2019年に実現したという。
さらに、「税収も増えている」と報告。その背景に関して「最大のポイントは、町を歩く人の数が7割も増えている。(子ども施策の結果)子育て層を中心に負担が軽減され、お金に余裕が出るので、それを地域に落とす。その結果、商業地の地価が上がり、住みたい町として選ばれるので、人気が高まり地価が上がり、税収が上がり続けている」と解説しました。
一連の施策の結果、主要税収は6年で25億円増え、貯金も115億円を超え、借金が減り、明石市は「お金が生まれるので、更なる施策が可能になる。全国初(福島県等の被災地除く)、高校生までの医療費完全無償化にした。子ども施策をすると金がなくなるというのは嘘。子ども施策をやったことで、経済が回って財源ができてきている。さらなるサービスができるのが最大の特徴だ。これを『好循環』と称している。91.2%の市民が住みやすいと回答している」と報告しました。
泉市長の説明後、妊娠期から中高生まで幅広い年齢の子育てを支援する総合施設の「あかしこども広場」内の子育て支援センター、こども図書室や、市民広場に設置された「手話フォン」などを視察、意見交換しました。
視察後、枝野代表は、泉市長とともに記者団の取材に応じました。明石市の取り組みについて「短い時間だが、市長から理念を含めてパッケージで説明をいただいた。一言で言うと、『意を強くした』。子育てがしやすい社会を作っていくことが、子育てにとどまらず、地域の活力に繋がっていく。そこは人と金としっかりと手当てをすれば、実現可能であると。いずれも私が国会などで繰り返し申し上げていることを自治体単位でしっかりと結果を出している」と述べました。
国の政策への参考になるかついては「市長が先進的に取り組まれている事例のうち、かなりの部分は本来、国で全国一律で進めるべき項目があり、それを進めていけば、さらに地域に密着した先進的な取り組みをそれぞれの自治体がしていただける。そういう状況を作っていくのが、これからの日本にとって必要不可欠なことだということを実感した」と展望を語りました。